ブログ

文豪はなぜ湯治に行っていたか理由を考察

湯治(とうじ)とは温泉地に長期間滞在して、療養することです。

古典名著を読んでいると、湯治のシーンがよく出てきます。梶井基次郎の「冬の蝿」とか、江戸川乱歩の「柘榴(ざくろ)」に湯治のくだりが出てきます。

なぜ昔の文豪は湯治に行きたがっていたのでしょうか。近年の作家さんの作品の中に湯治が出てくるシーンは私の知る限り出てきません。

明確な答えはなかったのですが、諸説あるので解説します。

都会の喧騒を離れて集中力を高めたいから説

都会では様々な騒音も多いですし、いろいろな人から声をかけられます。そういった状況から脱して、温泉地に籠ることで集中力を高めることができると言う説です。

集中力を高めることが目的であれば温泉旅館である必要はないでしょう。都内のホテルでいいはずです。そのためこの説は信憑性が低いと考えています。

温泉に入って創造性を高めるため(転地効果)説

温泉地は一般的には高所にあり自然が豊かです。都会とは正反対の場所に行くことで、転地効果を受けることができます。

転地効果とは日常と異なる場所に行くことで、自律神経の働きを助け、リラックス出来る効果です。日常と異なる環境、生活スタイルをとることで、創造性を高める効果もあると言われています。

普段行かない場所にいったり、公園に散歩しにいったりすることでも転地効果は得られますが、湯治をすればより強力な効果を得ることができるでしょう。

ただこの説においても私は懐疑的です。なぜなら現代の作家が湯治をおこなっていないからです。

湯治には莫大な費用がかかるはずです。確かにある程度の効果があると思われますが、そうであれば現代の作家も湯治をおこなっていなければ説明がつかないと考えます。

特定の温泉にこだわっていた文豪が存在していたこともこの説を信じきれない理由の一つです。同じ温泉にずっと通っていては、転地効果もなくなるでしょう。

出版社が作家を館詰(かんずめ)にしていた説

3つ目の説は出版社が作家を温泉旅館に閉じ込めていた説です。

部屋に閉じこもって文章を書くことを、”カンズメ状態”といいます。”缶詰”と書きますが、”館詰”が正しいという説があります。

出版社が作家を他の出版社に取られないため、また締切を守らせるために温泉地に閉じ込めていた、「文豪は温泉地に館詰にされていた説」は説得力があります。

真偽の程はわかりませんが、この説が有力であると思います。

今の出版社には何カ月も作家を温泉地に閉じ込める力もお金も無いと思いますし。

湯治で有名な温泉地

湯治で有名な温泉地をリサーチしました。

湯治で有名な温泉地
  • 熱海温泉(静岡県 志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治 など)
  • 修善寺温泉(静岡県 夏目漱石、尾崎紅葉、芥川龍之介 など)
  • 湯河原温泉(神奈川県 夏目漱石、島崎藤村、国木田独歩 など)
  • 塩原温泉(栃木県 夏目漱石、谷崎潤一郎、与謝野夫婦 など)
  • 大沢温泉(岩手県 宮沢賢治)
  • 道後温泉(大分県 夏目漱石、正岡子規 など)

夏目漱石がどの温泉地にも現れるのが調べていて面白かったです。夏目漱石はリウマチを患っていたようで、その治療のため、日本全国の温泉地を回っていたのかもしれません。

文豪は東京に住んで作家活動をしていた人が多いので、東京から近いところが多いような印象でした。

湯治×テレワーク ワーケーション

コロナ禍で温泉地も大きなダメージを受けています。このままでは文豪が愛した温泉旅館がなくなってしまうかもしれません。

業種にもよりますがテレワークが浸透しつつあり、必ずしも自宅で仕事をする必要のない社会になりつつあります。

★じゃらん限定★ワーケーションステイ特集

じゃらんではワーケーション特集サイトがあり、探すのも簡単です。

宿探しなら「JTB旅館・ホテル予約」

JTBのサイトもワーケーションプランが検索が簡単です。

コロナで宿泊客の足が遠のき、どこもワーケーションプランを頑張っているようですね。

私も久しぶりに温泉行きたいです。

最後に

私の結論は「文豪は温泉地に館詰にされていた説」です。

館詰状態になるのは嫌なのですが、文豪が泊まった旅館に行き、小説を読むという贅沢な時間を過ごしてみたいですね。

私は猫を飼っているので、長期間逗留するなんでことは残念ながらできません。

ワーケーション制度がある方は利用してみてはいかがでしょうか。

記事を読んでいただきありがとうございました。