以下のような場面に遭遇したことはないでしょうか。
- いうことがコロコロ変わる上司や顧客
- SNSの不毛な対立
- 言葉の定義が異なることによるコミュニケーションギャップ
これは「具体⇄抽象」の視点の欠如が原因であると本書は解きます。
このような日々感じるモヤモヤとした感情を解消したいならば、読む価値があります。大変おすすめですので、概要だけでもご覧いただきたいです。
「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問
本の概要
本の情報
著者 | 細谷 功 |
出版社 | PHP研究所 |
ページ数 | 319ページ(文庫版) |
出版年 | 2020/3/19 |
内容
あの人の発言は抽象的すぎてわからない、という場面は度々あるでしょう。
かといって具体的であればわかりやすいとは限りません。次の文章の例を見てください。
Aさん「あの本は、本棚に置いて、あのお皿は食器棚に返して、テーブルを拭いて、ゴミを捨てて、文房具は閉まってください。
Bさん「つまり、片付けるということですね?」
Bさんの発言だけで十分でしょう。片付けるという言葉にはAさんの発言内容が含まれており、より抽象的な表現なのです。
抽象的な方がわかりやすい場面の一例ですが、いつでも抽象的であれ、というわけではありません。
「総論賛成各論反対」という言葉があります。
税金の無駄遣いは良くないというと、ほとんどの人が賛成すると思います。ところが医療費の削減、地方活性化予算の削減、教育費の削減など、自分に関係のある部分となってくると反対する人が続出するのです。
「二つの部の強みを合わせてシナジー効果を出そう」という話をすると賛成者が多いですが、部が統合して部長のポストが一つ減ることになるとそれは違う、という人が現れます。
抽象的な表現については、自分に都合の良い解釈をできますが、具体的なものは解釈の余地がありません。
「総論賛成各論反対」はこのように、抽象的な話と具体的な話のギャップによって生まれます。
抽象的であることは、具体的なものの一部を切り捨てることによって発生します。
SNSで行われている不毛な議論も、「抽象的な問題提起VS例外的で具体的な事柄」という構図になっていることが多いですね。
抽象的とは、具体的とはについて本書ではより深掘りをしています。具体と抽象はどちらが正しいということではありません。タイトル(「具体⇄抽象」)のように行き来する思考力が大切です。
こんな人におすすめ
- コミュニケーションギャップがよく起こっていて、解消したい人
- 不毛な議論がなぜ起こるのか知りたい人
- 思考力を伸ばし、ビジネス能力を向上させたい人
ビジネススキルを高めたい方は、本書はヒントになると思いますので、ぜひ読んでみてください。
著者の細谷さんは、頭の使い方とか考え方の本をたくさん出していらっしゃるので、他の本もおすすめです。