読書

【書評】紙つなげ!彼らが本の紙を造っている|東日本大地震で被災した製紙工場の舞台裏をつづったノンフィクション

読書といえば、キンドルなどの電子書籍が普及しています。

私はKindleも保有していますが、基本的には紙の本を読んでいます。

書籍用の紙を作っている日本の大手の一つである「日本製紙」。その石巻工場が東日本大震災で起こった出来事を書いたノンフィクションが「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている」です。

本の概要

本の情報

著者佐々 涼子 
出版社早川書房
ページ数319ページ(文庫版)
出版年2014/6/20(ハードカバー) 2017/2/9(文庫版)

内容

2011年3月11日、日本製紙石巻工場は津波に呑み込まれました。

迅速な決断によって、工場の人たちは無事高台に逃れることができましたが、機械は壊滅。

工場を閉鎖するのもやむおえないという空気の中、工場長は半年での復興を宣言し、壮大な目標に向かって、壮絶な戦いが始まります。

当時私はあまり意識していなかったのですが、紙が圧倒的に供給不足となっていました。それもそのはず、日本国内の書籍用紙の約4割が本工場で生産されているためです。被災していない製紙工場や外国企業も含め、ライバル企業が日本製紙に協力していました。

本ができる舞台裏、そのドラマチックなノンフィクションを垣間見ることができます。

こんな人におすすめ

読書するなら紙派!という人は読みましょう。紙がどんな機械で作られているのか、工場で働いている人たちのプライドなど、興味が絶えません。

  • 電子書籍よりも紙の書籍派の人
  • ノンフィクションを読みたい人
  • 震災の裏で起こっていたドラマに興味がある人

本の中には、震災に関する生々しい描写が多くあります。

人の暖かさも感じをこともあれば、辛い出来事も多く発生しています。テレビや各種メディア、Youtubeでも震災に関する情報は溢れています。しかしノンフィクション本としてまとめられたものは、特に語り継ぐ上で、貴重な資料になると思いました。